結婚相談所で結婚した人のブログ

20代半ばで縁のない環境に見切りをつけて結婚相談所に入会→のち1年後に成婚退会したら今度は母が結婚相談所に入会。結婚までのアレコレを綴ります。

なぜ女性はBLにハマるのか

鍵アカウントのtwitterでちらっとツイートしたら思いの外いい考察ができたので記事に起こしてみることにしました。ちなみに私は腐女子当事者ではないので客観的な視点での考察です。

はじめに
BLという言葉が「ベーコンレタス」より「ボーイズラブ」であるということが一般化して久しい昨今ですが(本当か?)、女性がなぜ男性同士の恋愛に"萌え"るのか、いくつか説はあれど、今ひとつの考察しかないのが疑問でした。
腐女子の友人複数に聞いてみたところ、「なぜかはわからない」「まあとにかく萌える」「BLはいいぞ」の3点張り、しまいにはおすすめのCPを熱く語って沼へ突き落とさんとする人もおり、本題からズレた回答かもしくは「わからない」が回答の圧倒的多数を占めていました。
腐女子と言われる本人でも、なぜBLなのか、男性同士の恋愛でなければいけないのかという理由部分についてははっきりとわからない。それなのにこれだけ大勢の世の女性を熱狂の渦に巻き込み、本を買わせ、グッズを買わせるだけの猛烈なパワーを持っている。謎です。謎すぎます。一体その吸引力はどこから来るのか。

そもそも女性の「萌え」とは

男性の「萌え」は単純です。勃つ。シンプルです。
女性の萌えはそれとは違って複雑です。よく女性物の濡れ場はフレンチのフルコース、男性物は牛丼と表現されますが、女性の萌えは一言で言えば"関係に対しての萌え"がメインです。前菜(その2人の性格、置かれている状況のわかる描写)なしにいきなり肉料理(性描写)が出てきてもいまいち萌えません。
また、女性の場合、繁殖に際して必要なのは2つ、(1)オスの遺伝子情報 と、(2)子と自分を守り食料を届けてくれる存在 です。対して男性の場合は、繁殖に必要なものが遺伝子を受け取ってくれるメスのみで成立します。女性は長期的ですが、男性は短期的です。

ゆえに、男性側は「遺伝子情報を渡すこと」のみ行うのが生物学上もっともコストがかからず得する行為です(※生物学上です。現代社会では『ヤリ逃げ』)。女性側は「遺伝子情報を受け取らずに、自分を守ってもらい食料を届けさせる」状態が最も得です(※生物学上です。現代社会では『男性のATM化』)。生き物としてそれが"おいしい状況"、そうある状態は本能的に自分に「よい」と思うようにプログラムされています。

人間のオスとメスの「協定契約」

人間は単為生殖できないため、子孫を残すのにオスとメスで役割分担する必要があります。オスは自分の子を産んでもらうかわりに、その母と子を守り食料を運んでくること。メスは自分と子を守ってもらい食料を運んでもらうかわりに、子を産むこと。生産に対する対価としてスポンサー契約する感じです。

しかし、子どもを産むことはメスにとって命がけです。身を削って育てる必要があり、少なくとも1年は他のオスとの生殖が不可能。妊娠中・出産直後は外敵から身を護るのも難しい。そもそもお産自体で死ぬこともありえます。死ななかったとしても相当のダメージはあるでしょう。非常にリスキーです。

そのため、本能的に「ヤリ逃げ防止判定」が搭載されています。メスはだれかれ構わず遺伝子情報を持っているオスを選んではならないのです。なぜならそんなことをしたら出産のリスクから考えてメスが全部滅んでしまいます。だから性行為の前に、このオスは自分と子を守り食料を運んで来る気があるのか?出産だけお願いしてスポンサー契約を無視する気はないだろうか?行為前に"自分と子を守ってもらい食料を運んでもらう"気があるか?を念頭において考えるようになっています。

生殖に必要な(1)オスの遺伝子情報 と、(2)子と自分を守り食料を届けてくれる存在 のうち、(2)を大きくクローズアップする傾向にあるということです。

 

女性向けマンガなどでの王道の展開の意味

女性向けマンガ・小説などの王道展開も、(2)の要素が強調されます。

・変なナンパ野郎に絡まれたところを、イケメンに助けてもらう。(緊急時に守ってくれるうえに周りのオスより強いオス)
・ヒロインがコケそうなときや、高い所から落ちそうなところを、イケメンが抱きかかえる。(緊急時に駆けつけてくれる)

・「お前だけだよ」と言ってくれる。(オスを独占)
・とんでもなく高いレストランに連れて行ってくれる。(食料をくれる)
etc

ちなみにこういった部分は男性にとって「コスト」の部分ですので、おそらく男性から見ると少女漫画のストーリーは前菜・前菜・サラダ・スープ・スープ・デザートの構成のフレンチコースみたいなもんです。まずくはないが、メインディッシュがない。パンすら来ない。もっと言うとラッピングばかり豪華な空の箱のプレゼント。虚無。

 

(1)の気配を消しながら(2)を強調する展開がまさにBL

もしこれを読んでいるあなたが男性ならぜひ一度試しにBLマンガを読んでみてほしいのですが、登場人物が男性なのに思考回路がまったく男性ではない受けばかりが登場します。相手との関係性にひたすら悩んだり、「言わなくてもわかれよ」と言ってみたり。そんな男いないわ!。少女漫画の主人公を形式上男性にしただけの展開です。じゃあなぜ主人公(受け)は女性ではなく男性でなければいけないのか?

妊娠しないからです。「遺伝子情報を受け取らず自分を守ってもらい食料を届けさせる」状況がその物語上に再現できるからです。生物学上「おいしい」状況をうまく物語に乗せるのに便宜上男性を使った。これがBLが男性同士である理由で、女性がBLにハマる深層心理ではないかと思っています。

 

そうは言っても

ここまでの考察は自分でもかなり核心に迫ったのでは、と自画自賛の仮説だったのですが、男性同士でも妊娠可能な設定の「オメガバース」「セクピスパロ」などが存在し一定の人気を得ているらしい以上、一概にこうだ!!といい切れる自信のある仮説ではありません。男女間の恋愛の枠を取っ払った女性向けの世界展開がBLというファンタジーである、というのが今の所自分の中で一番しっくりくる表現です。

なんにせよ女性にとって都合の良い物語であることは確かなので、男性が腐女子を叩いたり「逃げだ!」と言ったりするのは「遺伝子を受け取らず自分を守ってもらい食料を届けさせる」深層心理を本能的に察知して忌避しているような気がします。「女は金目当て」「男は体目当て」と主語大きめで異性批判する人の心理もおそらくこの本能的なはたらきだと思います。

一応締めに書いておきますが、もちろん感じ方に個人差はありますし、BLの文化を貶すような意図はありません。

 

ちょっと別の話

私は人間の女性は人生に1人の相手としか繁殖しないようにできているのではないかと考察しています。なぜならヒトが繁殖可能になる年齢が12~3歳前後として当人がその年令に到達するまでに12年、さらにその子孫が繁殖できるようになるまで(一人立ちするまで)12年、計四半世紀はかかるわけで、石器時代などの寿命から考えるとそこから他の相手と繁殖できないのではないかと思うのです。もし、子孫が繁殖できるようになるまでの間に繁殖相手を変更するなら、そうせざるを得ない事情(前の繁殖相手が守ってくれない、もしくは遺伝子情報的に前の相手よりも良い)があるという本能的な判断が下りたことになり、この場合最も効率的なのは前の繁殖相手との子は切り捨て、新しい相手との子に注力することです。たぶんこれが児童虐待の加害者に義父と実母*の組み合わせが多い理由だと思っています。ただし、本能的にそうだからといって許される行いではありません。

*今年ニュースでよく取り上げられた結愛ちゃん虐待死が義父と実母でした。若くして妊娠した母とその新しい旦那。

オスとメスの本能的に「おいしい状況」の真逆さが、夫婦・恋人間の関係性にヒビが入る原因の大多数を占めているような気がします。

なんか、現代的に解決できる方法ないんですかね。。