結婚相談所で結婚した人のブログ

20代半ばで縁のない環境に見切りをつけて結婚相談所に入会→のち1年後に成婚退会したら今度は母が結婚相談所に入会。結婚までのアレコレを綴ります。

誤解されやすい結婚相談所でのあれこれ

はてこさんの結婚相談所の記事が、「なんかちょっと違うかも」と思ったので。

生鮮食品と婚活市場で違うのは、商品と違って婚活中の会員はデッドストックでも価値がある(月会費による一定収入が発生する)し、成婚料がない相談所の場合はあえて積極的に成婚に持っていかないことで会費をなるべく長く払ってもらうという戦略すらもあるという点だと思います。成婚しない人が延々と在籍していても経営上はデッドストックという認識にはならないのです。
では結婚相談所では一番何が重要かというと入会者増で、入会すれば入会金は入るし月会費は毎月収入予測が立つし、さらに成婚したら成婚料も入ることになるので、とにかく1にも2にも会員増を狙うのが経営上のスタンダードになります。

ここで思い出したいのは婚活のメインユーザーは女性であることで、セオリー通り行けば女性向け、しかも恋愛経験があまりない傾向の女性にマーケティングを仕掛けていくことになります。
そうなると、ウチは学歴で足切りして有名大学・大学院の方を集めておりますとか、医師・弁護士など士業の方に使われておりますとブランディングしていくと集めやすいことはあると思われます。私の完全な予想ではあるものの、IBJには専門学校卒の男性も一定数いたので、男性の学歴にこだわっているというのはあくまでも女性向けの入会案内の際の「安心保証!」みたいな言葉であって、大した意味はないのではないかと思っています。
そもそもIBJでは自分でプロフィール検索できるので、足切りのラインは比較的自由に設定できます。学歴で足切りしたい・したくないという個々人の女性の要求を男性の入会時に厳正に審査する必要はほぼない。はず。もちろん入会時のプロフィールの内容が事実であるかは確認しているはずですが。

入会条件の経済状況についてもおおむね上と同じ「安心保証!」みたいなものだと思っています。IBJにはフリーランスや自営業の方もいました。プロフィールの担当者欄に『フリーランスとして独立されていますが、安定した顧客先をすでに構築されておりますのでご安心ください!』と書いてあるなどしたので、あまり人気がないのかなと思ったことはありますが。
要するに経済状況の審査というのは結婚生活に耐えうる経済状況でない人は入会できませんよという意思表示ではないかと思います。そもそも家族が作れないような経済状況の人が結婚相談所で結婚を目指そうとは思わない気もする

他の細かい項目だと、親と同居して家業を手伝っているから、実家の離れに住んで一緒に家業を手伝ってほしいという条件で隣の隣の県から申し込んできた人もいたし(転職する気はないので迷った末に断った)、地方在住どころか船で全国を回っている職業の人も申し込んできた(迷った末にry)
持病がある、家族で信仰している宗教がある、奨学金・車や家のローンがあるというのもプロフィールで見たことがあります。「あるから入会できない」ではなく、おそらくは「入会するも苦戦」。どちらがいいのかはわかりませんが。

そもそもIBJ自体は「連盟」なので、私の中ではデータベースの名称に近い認識で、それぞれの相談所にいろいろな会員募集の手段があり、会員になることのできる規定もそれぞれ微妙に違います。IBJフランチャイズ開業でも展開していますので、IBJ名指しで「金持ちと高学歴しかはいれないっぽいけど、そこから溢れた人に結婚の資格がないわけじゃないしおすし」という趣旨の記事を書くのはちょっと違うかなと思ったりしています。

確かにちょっとくらいキズがあったり色づきが悪かったり形がいびつでも皮を剥いてしまえばおいしい桃はいくらでもあります。あるはずだけど、"自分の一度しかない(はずの)結婚の相手"に、不安要素がある人を選ぶのは難しい。それはリスクを取りたくないからというのもあるし、傷がある、傷物で妥協、市場にも出せない…そういうのはまやかしではなく、人からの評価を重要視する人にとってそれは盛大なリスクだからだと思います。生鮮食品なら風評被害。友達からどう思われるのか、家族からの評判は、そういったところを優先して、そこからさらに"いい人"を選びたい!という人が集まっているのが結婚相談所だったりします。婚活界隈になんとなく感じる地獄みというのはそういうのから来ていたりするのかもしれません。

あとこの記事は結婚相談所で誤解されがちな部分の結晶といってもよくて、基本的に結婚相談所では誰にでもお見合いを申し込みできます。そのため自分の条件に合わない人からも申し込みが来ます。たとえば自分の条件が身長170cm以上次男年収500万以上大卒33歳位として、相手が身長168cm長男年収400万専門卒37歳とかでもお見合いの打診は来ます。もっというと身長160cm長男年収800万45歳とかも来ます。そこからプロフィールと写真を見て、会ってみるか断るかは自分で選びます。
しかも大抵の場合プロフィールにはそういう細かい指定は書かないのが"お作法"で、私も相談所に提出した条件は「自分の年齢~40歳まで、年収300万以上、猫と暮らせる人」だったのが、相談所が作成した最終決定のプロフィールでは「優しい人なら嬉しいです」になっていました。どういう変換や?
話が逸れたけど、つまり結婚相談所での指定条件はそれ以外の人とは会わない・会えないというわけではなくて、自分から申し込むときのフィルタにすぎないのです。

他にもドレスコード・お見合い時は男性全額支払いなどいろいろなお作法があるけれども、これは正直テストや面接というより「じゃあとは自由にやってね」だと異性経験のない人が突拍子もない行動を取ってしまうのを防止する意味合いと、トラブル・相談対応にあたるコスト削減のように思えます。「1から服装の相談に乗るのめんどいからドレスコード決めとけ」「おごったおごらないでトラブル処理すんのめんどいから初回は男性が全額出すって決めとけ」みたいな。最強カーチャンの会った電話長すぎおっさんのように経験の無さによる致命的な行動ミスを繰り返すと結婚できる要素があっても結婚できない状態にずっとはまってしまうこともあると思います。そもそもそういう状態にあるからこそ相談所に来ていたりもするわけで、そこからどうにかして短期決戦で結婚まで持っていくことを考えるとスパルタちっくな教育や就活のようなルールを徹底していく必要もあるんじゃなかろうか。

 

夫からみて私の難点は両親が離婚していることと外見がそんなにタイプど真ん中ではないことで、私から見て夫の難点は背が低いことと決断力がないことでした。どちらも結構な難題ではあったように思うけどもなんとかかんとか今一つ屋根の下で暮らせているのは、お互いに一緒に暮らすにおいて前述の項目がそんなに問題にならないということに回数会うことで気づいたからだと思います。
これはその人に会う前からどうこうできる問題ではないです。たとえば夫とお見合いする前の私に「決断力が無い人もいいよ」といったところで「お前は何を言っているんだ」と言われて終わりだと思うし、私と会う前の夫に「両親が離婚している人も大丈夫」といったところで「どう考えてもめんどくさいからいやだ」と言われることうけあいです。とにかく会ってみてしばらく一緒に過ごしてからの話なんですよね。パートナーシップはそこからはじまるんだと思います。皮肉にも条件をつけあった同士で、自分の暗黙の条件・理想とはちがう部分が相手に出てきて、それでもまあ一緒にやってく気になることが第一歩なんじゃないかと。夫よりいい条件の人は確かにいたし、夫にも私よりいい条件の人はいたかもしれないけど、それでもお互いがお互いを選んだのにはそれまで構築してきた関係性があったからだという趣旨の話をしたときもあったし。

プロフィールでのぶん殴り合い的側面があることは否めないけど、けっしてそれだけではない、というのが結婚相談所だと思います。